August 16, 2008

鉱物とコロー展

 近所の図書館で借りてきた鉱物の本にハマってしまいました。



 Falconは高校2年生まで科学者になるつもりでいました。理科と数学は大好きな科目でした。嫌いな教科は国語でした。皮肉なことに国語で教員免許を採ってしまったのですけど。

 なので、今でも科学に関する本は大好きです。
 鉱物の本は実に綺麗でそれだけで満足できます。鉱物のいくつかは宝石になっています。宝石のいくつかの構成する元素は実にありふれたものです。誰もが知っていることですが、ダイヤモンドは炭素でできています。炭素が地球の内部で高温高圧の条件下で結晶化したものです。ルビーとサファイアは酸化アルミニウムの天然の単結晶なんです。1円玉やアルミホイルに使われているアルミニウムは地球上に比較的多く存在する物質です。酸化アルミニウムの結晶をコランダムと言い、クロムの酸化物が不純物として混じったものをルビー、鉄やコバルトなどが混じったものをサファイアと呼びます。さらにダイヤモンド(炭素)に不純物を混ぜた物質は半導体の性質を持つので先端技術で期待される物質になります。いま注目を浴びている鉱物は電子回路や発光ダイオード、太陽電池などの半導体の材料になることが期待されています。

 さて、上野の国立西洋美術館でコロー展が開催されているので、見に行ってきました。
 Falconは何度かルーブル美術館へは足を運んだので、コローの著名な作品はほとんど見ていましたが、今回改めてコローの作品を見直しました。
 絵画を鑑賞するとき、題材やテーマばかりに関心があつまりますが、絵具や書かれたものの材質に注目するのも興味深いです。西洋の油彩画は揮発性のある油に鉱物の粒子を混ぜたもの、日本画は鉱物を水で溶いたもので、鉱物と切っても切れない関係にあります。
 今は安全性を考えて、学校の図工や美術で用いる絵具には有害な物質は使われていませんが、専門の画家の人が用いる絵具には有害な物質を含む鉱物が用いられています。かつては白には鉛白、赤には辰砂(水銀を含む)、黄にはクロムを含む物質がつかわれていました。
 こんな点から、美術を鑑賞するのも悪くありませんね。

11:34:20 | falcon | comments(0) | TrackBacks