July 15, 2008

若者革命

 今日(7月14日 Le 14 juillet )はフランス革命記念日ですね。
 だから、別に『図書館革命』にこだわっているわけではありません。でも、ちょっと一言。批判というよりも、素直な感想として、『図書館革命』というからには、最後にいよいよ大転換があって、納得つく結果になるのかなあ〜と期待して読んだのですが、(ここからネタがばれるので、未読の人は数行先に目を移してください)原子力発電所が攻撃されるテロ事件が起きて、メディア良化隊に狙われた、テロを扱った小説を書く作家を図書館隊がかくまって、外国への「亡命」させる話でして、タイトルは『図書館革命』というよりは、『図書館亡命』『作家亡命』にすべきだったでしょう。自分のモデルが登場するから、というわけではありませんが、ストーリーとしては『図書館内乱』のほうが、ずぅーと面白かったです。

 さて、そんなことはともかくとして、最近ある人と意見が一致した話を書きます。
 以前にも大学院をめぐって似たようなことを書いた気がしますが、日本の社会は若者を大切にしていません。そのくせ、老人の不平不満をよく聞いています。理由ははっきりしています。日本では老人のほうが若者よりもお金持ちなんです。もちろん、日本の老人社会も超格差社会ですから、年金なんかもらわなくても資産だけで老後を豊かに過ごせる人から、年金と保険で食いつなぎ、病気におびえながら生きている人まで、変化に富んでいます。後期高齢者医療費負担制度も、高齢者の中で資産や収入が十分にある人とない人を厳密に分けて、制度化すれば問題は起きなかったはずです。年金の問題は社会保険庁の怠慢だから、事前に政策で防ぎようがない。(→一部の公務員は金銭感覚が麻痺している。なにしろ、民間企業のように顧客を満足させて、何とか利益を引き出そうとする発想がない。国からの予算をきっちり使いこなすのが仕事だから、余ったら、貯めておいて来年、再来年のために使おうという気がない。大分県のスキャンダルは、別の意味での金銭感覚のなさを露呈している。おそらく、悪気はない。むしろ、なぜ逮捕されたのか、わかっていないのではないか。)
 話が公務員の金銭感覚に流れてしまったが、個別の問題があるにせよ、年齢層でみると若者よりも老人のほうが金持ちであることは、間違いないだろう。当座に必要なお金を持っていないにしても、老人は資産を持っている。
 その高齢者たちを働かせて、若者たち(20代から30代)を職業人として育てようとしないのが日本の社会だ。20代から30代の社会人としてステップアップできるときに、安い賃金のアルバイトや派遣職員などで日銭を稼いでいる。たしかに熟練工の高齢者には後進のためにも頑張っていただいて、その技を伝えてもらいたい。しかしながら、若者をもっと大切にして、働く職場を増やさないと、これからますます国力が落ちてしまう。ほんとに「若者革命」が起こらないのが不思議なくらい、高齢者と若者に対して不均衡な政策を日本政府は行っている。
 高齢者・老人が大切されないのは、実は若者たちが社会で大切にされていないからだと思います。
 高齢者・老人を大切にすることは当然ですが、そこには超格差があることを政策に反映させるべきです。それよりも急務なのは、若者の力を生かせる場を直ちに創らないと、日本はますます国力が落ちます。少子化に歯止めがかからないのも、若者をもっと大切にしないからです。
 ただし、若者を大切にするからと言って、腫れものに触るように接して、甘やかすのではなく、責任ある仕事を任せて、支えてあげる必要があるでしょう。もちろん、失敗はあります。その失敗を最小限にして、反省させて、導いていくのが大人の務めでしょう。
 革命と言っても、フランス大革命のように多くの人を断頭台に送るような殺生をせよと言っているのではありません。やる気を失った日本の若者を救おうと言っているのです。

00:59:00 | falcon | comments(0) | TrackBacks