May 07, 2008

えっ、もうフランスで!

 拘っているのではないが、アニメの『図書館戦争』を見ている。
 図書館のことを知っている身としては、ついつい「そこは、、、」とヒトコト言いたくなる。そんな気持ちをぐっと堪えて、見守ってみようと気になってきた。批判精神を捨てきるつもりは無いけれども。

 アニメファンたちが賛否両論を戦わせているサイトも、ちらちらと見ている。誤解アリ、激論アリ、弁護アリ、感激アリで、これを整理して、ストーリーにしたら、すごく面白いとまで、傍目で思ってしまった。Falconでさえ思いもつかない罵詈雑言を連ねて、ボロクソに貶しているようでいて、ファンとしては期待の上に期待を載せて、楽しんでいる。Fanは、どこまでいっても、地獄の果てでも、Fanなのだ。

 さて、もうフランスでTVアニメの『図書館戦争』がブログに取り上げられて、話題になっている。こんなこと書けば、原作者から「そんなこともしらないのー!、あんたの頭、小学生よりも悪いわよ。インターネットの情報は世界中を駆け巡るのよ!ど阿呆」とこっぴどく、お叱りを受けるだろう。まあまあ、落ち着いて、落ち着いて。原作が発表されたのが2年前の春だから、とっくに彼の地では話題になっていたのだろう(昨年の春、フランスに行ったけど、翻訳本は見なかったなあ)。インターネットの情報は、空間も時間も言語も法律も、あらゆる障壁を乗り越えるパワーがあるくらいのことは、Falconでも心得ている。タイトルは日本語の発音をそのまま翻字して、Toshokan Sensouとしているものもあれば、フランス語でLa guerre des bibliotheques(いつものことだがthの次のeにはアクサン・グラーヴという記号がつく)と翻訳しているものもある。フランスのアニメファンの間では、日本語を学ぶのが当たり前で、Toshokan Sensouくらいは理解できる。アニメのエピソードを解説しているブログもあり、にほんじんのFalconにとって、これはフランス語の勉強になる。

 いま、ファンサブというのが問題になっている。
 ファンサブとは、日本のテレビで放映されたアニメ作品を、直ちに外国語の字幕(サブタイトル←英語では字幕をSubtitleと綴る)をつけて、インターネットに流す、あるいはDVD化して、海外で売りさばく行為で、当然、著作権侵害になる。このため、アメリカでは日本のアニメ作品のDVDの売れ行きが落ち込み、数億円の損害になっている。翻訳には、アジア諸国の言語では1週間から2週間程度、アメリカなど英語圏で3週間程度、ヨーロッパ言語へは数週間程度はかかるようだ。実際にはもっと早い気がする。著作物は個人、または家庭内で視聴するために複製するのは問題が無い。だが、著作者に無断で、それを加工して、売りさばいたり、商品の売上を引き下げる行為は、絶対にしてはならない。

 念のため、言っていくけど、著作権は「表現」を保護する財産権であり、著作者人格権は著作者の社会的立場、名誉を守るものである。
 いまだに、レポートに「引用箇所を明示するのは、著作者を尊敬して、敬意を表わすことで、著作権侵害をすると罰則があるとか、財産権とか、難しいことを学校で教える必要は無い」という誤った解釈を参考文献の受け売りで書く人がいるが、それは明らかに間違っている。引用箇所の「出所の明示」は著作権法第48条にあり、自分の表現と他者の表現を区別するためであり、モラル(倫理)として尊敬とか、敬意という心情的な問題は無いとは言い切れないが、著作権の考え方とは相容れない問題である。Falconは、そういう間違った理解をしている者のレポートは、大幅に減点する。

02:23:59 | falcon | comments(0) | TrackBacks