May 30, 2008

100万本の図書を世界にあげる!

 以前、ジョン・ウッド著『マイクロソフトでは出会えなかった天職』を紹介した。



 タイトルに一切、学校と図書館が含まれないが、これはいわゆる発展途上国に学校を作り、その学校に図書館を設置して、図書を寄贈する活動を物語る作品である。
 図書館学の本ではないが、図書館、とりわけ学校図書館の大切さが伝わってくる。読み終わると爽やかな感動とともに、何かをしなければ、いられないという思いに駆られる。
 「司書」という言葉は最後のほうにわずかに出てくる。著者が図書館学に詳しくないところに物足らなさを感じるが、その分、図書館の大切さがストレートに伝わってくる好著である。図書館に関わる人は、絶対に読んでほしい。
 図書館での分類記号は、「図書館」ではない。「372.25 社会科学―教育」になる。書店ではビジネス書の棚に並んでいる。タイトルだけでは、「転職」コーナーに並んでいそうだ。タイトルは洒落ているが、中身が誤解される。きわめて残念。

 著者が活動を始めるきっかけとなったネパールは、王政が廃止され、現在、混乱のさなかにある。中国は四川大地震で多くの学校が倒壊して、子供たちの尊い命が失われた。生き残った子供たちも学校を失い、勉強する機会を失った。家を失い、傷ついた人たちは、本を読む余裕はないだろう。しかし、衣食住が満たされることも必要かもしれないが、これからの復興のためには、学校と図書館が欠かせないと思う。

 今、私たちにできることが何か、それを考え、即決しなければならないと思った。

 ルーム・トゥ・リード日本チャプター

02:04:13 | falcon | comments(0) | TrackBacks