April 21, 2008

Falconが行く

 今日、東京の郊外、立川市にある国立国語研究所の図書館と、4月1日に開館したばかりの国文学研究資料館の図書館へ行った。
 多摩都市モノレールの高松駅で地上に降り立つと、雲雀がのどかに鳴いていた。春爛漫の光景だ。ここは、かつての立川基地の跡地だ。昭和記念公園も近い。
 3年前に開館した国立国語研究所の図書館は、国語学だけでなく、学際的な資料も充実し、図書資料だけでも13万冊を越える。雑誌も膨大な資料がある。一応、「言語」以外は国際十進分類法で分類されているらしい。司書資格を取得した人は、良く知っているだろうけど、国際十進分類法は、デューイ十進分類法の第5版に基づき、改変をくわえたもので、デューイ十進分類法の「4言語」を「8文学」と一緒にして、「4」が空位になっている。国立国語研究所の図書館では、その「4」を独自に分類し直している。地理や言語の標数を応用しているようだ。
 日本語教育の資料もあり、意外だったのが、外国語の辞書が充実していた。
 資料の劣化は深刻な問題で、マイクロ化か、電子化か、厳しい選択に迫られているようだ。
 以前は、東急大井町線の戸越公園から歩いていった国文学研究資料館が立川へ移転。国立国語研究所の建物から公園の小道を抜けると、巨大な建物が目に飛び込んでくる。極地研究所も移転してくる建物だ。
 1階のフロアが閲覧室になっている。古写本・古版本の紙焼き写真本も開架している。いわゆる主題分類ではないので、書架を歩き回るだけでは、探しにくい。館内の検索機で検索して、請求記号(所在記号)を控えて、探すしかない。それでも、これだけ、国文学・日本文学の資料が開架で探せるところは、ここしかない。
 Falconは、学生のとき、夏休み、卒業論文の資料を探しに、戸越公園駅から炎天下の道をダラダラと歩き、国文学研究資料館へ辿り着き、防虫剤の香りに包まれて、汗が引いたことを思い出す。戸越公園の緑陰も、資料探しに疲れた身体を癒してくれた。それが、立川基地の跡地へ移転した。
 立川は、国語学と国文学(日本文学)の殿堂ができた。立川駅北口には、立川市立中央図書館があり、南口から歩くと都立多摩図書館(都知事の決断で、いろいろと問題が起きてしまったけれど)がある。立川は、図書館好きにとってエキサイティングな町になった。
 立川は『図書館戦争』シリーズの舞台の一つでもある。モノレール高松駅から見ると、国立国語研究所と国文学研究資料館の背後には、陸上自衛隊立川駐屯地がある。帰りに、ヘリコプターの羽音が雲雀のさえずりをかき消していた。

22:31:23 | falcon | comments(0) | TrackBacks