ぶらぶらライブラリアン

ＡＶ司書

　図書館司書が登場するポルノ小説が刊行されたと思ったら、気がつくのが遅かった。去年から今年にかけて、司書を主人公にしたＡＶが既にリリースされていた。シリーズ化しているものもあるようだ。さすがに、この手の資料群ばかりは購入する気もないし、ブログで紹介するつもりもない。

　これが、ほんとのＡＶ資料ですね。

　驚いた！の一言です。

禁書ねえ〜

　昨夜、帰りがけに書店に立ち寄ったら、『司書とハサミと短い鉛筆』の最新巻が平積みになっていたので、興味を持って、第１巻を買ってしまった。



　何と、電撃文庫、アスキー・メディアワークスのライトノベル、しかも今度は全裸の女の子が仕掛け絵本から飛び出してくる！
　学校図書館の司書も登場する。しかも、５０ページには「森さん」という別の司書の名前が、夏宰司書の口から出てくる。『ドロ高』や『吉野北高校図書委員会』のように、学校司書は１人しかいないところが多い。設定となっている高校は、学校図書館にかなりの人件費を割いていると思う。所詮、フィクションなんだけど。

　ストーリーは≪走馬灯≫という超能力を持った高校生・文人（ふみひと）の周囲で起こる奇妙な出来事をつづる。

　まだ読み始めだが、４７ページに出てくる「蔵書票」「蔵書シール」という言葉が気になった。「蔵書票」は最近の図書館ではあまり見かけない。標題紙（とびら）か、その裏に、蔵書印を押す、あるいは、図書を閉じたときにできる小口に蔵書印を押すことが多い。「蔵書シール」が何を意味しているのか、不明。分類ラベルのことなのか、それとも貸出用のバーコード・ラベルのことなのか、わからない。貸出用のバーコード・ラベルではないと思う。それは、図書の貸出は２８ページに「貸し出しカード」とあるように、カード式（専門用語ではニューアーク式というのだけれど）を用いているようだから。

　イラストがライトノベルらしい萌え系で、ちーっとＨなのだ。これは帰りの電車の車内で大の大人の男が読んでいると、周りの人間が引くかもしれない。
　たしかにエロチックな描写が無いわけではないが、ストーリーは意外と健全で、Ｈネタで釣らなくても、十分面白い。

　第１巻の後半に≪禁書≫という言葉が出てくるけど、メディアワークスの一連の作品を見渡せば、≪図書館≫と≪禁書≫というキーワードが浮かび上がる。作家の着想というよりも、メディアワークスという会社自体が≪禁書≫に拘っているような気がしてならない。
　何か過去に大きな痛手を負ったのだろうか。

　いずれにせよ、≪図書館≫≪司書≫というテーマの鉱脈に、多くのテキスト・クリエーターが群がりつつあることを予感させる。
　ゴールドラッシュっていうわけではないけれど。

注目の番組！『絶対やれるギリシャ神話』

　首都圏では10月から始まった日本テレビの『絶対やれるギリシャ神話』は結構、いや、相当面白い。
　渡辺いっけいが進行役で、ギリシア神話のエピソードをかなりエロティックなアニメで紹介している。しかも、ギリシアの神々が関西弁で話して、突っ込みどころも面白く、コミカルである。さらに教訓的で、そのうえギリシア神話についての知識が身に付く、教養番組でもある。
　土曜の深夜、というよりも、日曜日の明け方に近い時間帯で、新聞であまり宣伝していなかったので、最初の数回は見逃した。きわめて遺憾。

　（ちょっと最近、エロ話、多くない？）
　いやいや、別にそういうわけではないのですけど。
　　↑
　（変な言い訳！）

　ちなみに、番組の最後のクレジットに、参考文献として阿刀田高氏の『ギリシア神話を知っていますか』（新潮文庫）が紹介されている。
　阿刀田高氏は、以前ブログに書き込んだけど、元・国立国会図書館の職員で、すでに退職して、作家として活躍している。
　そのほかの著作で、旧約聖書、新約聖書、コーランなどを、阿刀田流にわかりやすく解説している。実に楽しく読める。元図書館職員だけあって博識で、ユーモアもある。そんな妙味が、アニメでも申し分なく発揮されている。

　深夜の番組だけに、良い子のみんなは早く寝てしまうので見られないだろうね。その分、読書で味わいましょうネ！

風神が緑色なのは何故？

　昨日、東京国立博物館の大琳派展に展示されていた俵屋宗達の『風神雷神図』を見て、風神の体の色がなぜ緑色なのか、不思議に思った。
　ボッティチェリの『春プリマヴェーラ』の西風の神ゼフィロス（←他にも表記の仕方がある）の体色が青緑色なので、もしかすると図像学的に考えて、その始原が同じなのではないかと考えた。
　しかしながら、ボッティチェリの『ヴィーナスの誕生』の西風の神は肌色をしている。
　風の神の描き方を探求してみるのも面白いかもしれない。