November 21, 2008
くおんの森
書店に入った。特に買いたい本がないのに、体がなかなか店から出られない。さっきから、同じ棚のあたりをうろうろしている。何かが導いているのか、それとも、鼻が利くというのか、コミックの新刊の棚の前で、足が止まって、手がするすると伸びた。
帯には「世界で一番不思議な図書館」「貸出中」とある。
(これは買わなければならない!)と決意して、キャッシャーカウンターへ向かった。
コミックなのでシュリンクが覆っていて中身を確認できない。
(帯に騙されたと思って買ってみよう!)
釣巻和(つりまき・かず)著『くおんの森』第1巻 徳間書店(RYU COMIC)が出版された。
祖父が書き残した日記に導かれて、不思議な図書館を訪れる男子高校生が主人公。奇妙な出来事に巻き込まれてゆく。
実はタイトルの『くおんの森』の「森」はただの森ではない。
注意深くみると「木」が3つ組み合わさったのではなく、「本」が3つ組み合わさっている。
えーっ、目録の記述に表せないじゃないか!
ちょっと待てよ、もしかするとそういう字があるのかもしれないと思い、手近な漢和辞典を手にとって開いた。無い!総画索引で「本」5画の3倍、15画を指でなぞって探した。無い!諸橋『大漢和辞典』で探すしか道は残されていない。
無かったら、目録の注記に「森は本を三つ組み合わせた文字」と記録するのか。実に厄介なタイトルのコミックだぜ。
でも、図書館職員はこういうタイトルに萌え〜る、いや、燃える!
いつまで続く図書館ブーム。
『図書館ねこデューイ』、読んでいます。ほのぼのとして、優しい、そして勇気に満ち溢れた内容です。作者の館長さんと猫の無言のはずの会話に癒される。晩秋の日差しのような、ほのかな温かさを感じるお話です。
01:18:33 |
falcon |
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November 20, 2008
コメントありがとうございます
確かにルネサンス絵画と琳派は関連あるかもしれません。戦国末期から江戸初期に西洋絵画が日本に紹介されています。ますます興味深い。
14:30:24 |
falcon |
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November 17, 2008
『司書と・・・』は・・・のアナロジーか
『司書とハサミと短い鉛筆』第1巻を読んでいた。前にも書き込みしたが、エッチで釣らなくても、十分面白いのだけど。
第1巻の最後に仕掛け絵本から飛び出したフィフが文人の学校に現われて、教室で和井先生から、エジプトの地中海に面した「イスカンダリーヤ」という町からやってきた留学生として紹介される。
イスカンダリーヤとは、アラビア語でアレクサンドリア(アレキサンドリア)のことで、アレクサンダー大王が若くして世を去った後、大帝国が分裂して、エジプトに成立したプトレマイオス王朝が王都とした町で、今でも風光明媚な観光都市だそうだ。
この町には古代地中海世界最大とも言われる図書館があった。この図書館はもともと学芸の女神ムーサたちに捧げられた神殿ムセイオンの附属施設で、最盛期には70万巻のパピルス文書があったと伝えられる。また、絶世の美女として称えられたクレオパトラ7世の時代、内乱が起きて、彼女に加勢したローマの武将カエサルの軍隊が放った火のついた矢が当たり、炎上して無くなったと言われている。しかしながら、これらは後世の叙述から判ることで、遺跡も残っていない今日、真実は全くわからない。
最近、ムバラク政権とユネスコにより、世界最大級となる新アレクサンドリア図書館が建設されたばかりだ。
ということは、フィフは由緒正しい図書館の町からやってきたことになる(あくまでも和井先生の紹介の話では、ということで、フィフは仕掛け絵本から飛び出した少女だけど)。意味深長である。
『宇宙戦艦ヤマト』のイスカンダルも、アレクサンドリアと関係があるのだろうか?
ここから先はネタバレになるので、未読の人は読んではならぬ。 [more...]
23:50:00 |
falcon |
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November 16, 2008
東京化石発見!
三越前駅で銀座線を降りて、半蔵門線へ乗り換える時、一度改札を出て、長い通路を歩きます。しかも、単調で直線の通路をです。さらに階段があったり、微妙に勾配があって、なんだか疲れーると思ったことありませんか?銀座線の改札を出てから、しばらく歩くと、通路の柱が目にとまります。その柱に注目、アンモナイトや二枚貝の化石が見つかります。柱が大理石なんです。意外に簡単です。専門知識がなくても、すぐ見つかります。
恐竜の化石でも見つかれば、もっと面白いのですけど、かなり夢中になりますよ。
企業のビルでも見つかるらしいのですが、化石発見を目的に侵入するのは忍びない。
地下鉄の通路なら、誰にも気兼ねなく、見られます。
ただし、あくまでも公共の空間です。先を急いで歩く人も大勢います。他の人の邪魔にならないように、そーおっと化石探しをしてください。ルーペと解説書があれば、怖いものなしです。
あくまでも観察です。間違っても、掘り出さないように。
こんな風に街を歩いていると楽しいですね。
22:11:13 |
falcon |
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デバに会ってきた
今日、東京地方は雨がしとしと降り、一日中、厚い雲が空を覆い、薄暗い夕方のような天候だった。本当に久しぶりに上野動物園へ行った(上野の博物館や美術館は何度も来ているのだけれど)。地下鉄千代田線の根津駅から歩いて、池之端口から入ろうとしたら、閉園ぎりぎりで入場券の販売機のシャッターを閉めかけていた。そこで窓口の係りの人に「ハダカデバネズミが見たい!」と言ったら、フフッとほほ笑んで、「あと30分で見られなくなる動物がいますけど良いですか。」と言われた。
「いいです。ハダカデバネズミが見たいから」
「それなら、小獣館へ行ってください。ここから近いですよ。ハシビロコウのところを曲がってください」
(ああ、テレビで見たことある、じっとして動かない鳥のことね)
「ハーイ、行ってきます」
入場券を握りしめ、小獣館へ直行した。ハシビロコウをちらっと見て、薄暗い小獣館へ行った。
いた、いた。
近くで撮影した写真だと気味悪く醜いが、遠くから見ているだけなら、結構可愛い。ハダカなので幼獣を見ている錯覚を感じるからだろう。
巣の様子が透明な合成樹脂の窓からのぞける。
2匹が透明な通路でぶつかると、どちらかが乗り越えてゆく。
面白いのが前を歩いていたデバが急に立ち止まって、後ろ歩きを始めると、後を歩いていたデバもたどたどしく後ろ歩きを始める。次第にするすると、まるでマイケル・ジャクソンのムーン・ウォークのように、狭い通路を後ろ歩きする。
周りには珍しいネズミやコウモリ、ミーアキャット、アルマジロなど、興味深い小動物がいる。
ハダカデバネズミは1匹の女王と2,3匹の王(繁殖オス)が中心の社会性の強いネズミだけれど、社会性が強い哺乳類はほかにもいる。すぐ近くで展示されているコビトマングースで、繁殖をするカップル以外は残りは仲間の世話係なんだそうだ。
それから、意外と身近にいるコウモリらしいが、展示用の透明な板と木の板の隙間に押しつぶされるように入り込んでいる種類がいた。なにしろ狭苦しそうで、見ているこちらが息が詰まる。でも、彼らはこれで安心して寝ているらしい。
アルマジロは硬い皮を背負っているけど、つぶらな瞳があどけない。
地下の階にはギャラゴ、ロリス、ツパイがいる。
ツパイは一見するとリスのようだが原始的な猿の仲間。人間の進化を考える上で重要な動物である。
楽しいひとときだった。
ハダカデバネズミを見られる小獣館は西園にある。JR上野駅から近い東園からは少し歩く。小獣館へ直行するには、地下鉄千代田線の根津駅から歩き、池之端口から入園するのが便利である。
以前に上野動物園を訪れたのは、子どものころだった。
家族で訪れたのが最後だった気がする。
その前は祖父や祖母が連れて行ってくれた。
夕闇が迫る動物園を去る時、亡くなった祖父たちが寂しそうにたたずんでいるような気がした。 [more...]
19:41:13 |
falcon |
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