September 03, 2007

よだかのほし

 話は違いますが、Falconは子どものころ、宮澤賢治の『よだかのほし』を読んで、肉が食べられなくなりました(魚は食べていましたが)。だって、カブトムシを飲み込む時のよだかの気持ちを考えると、生き物を食べるというのは辛く悲しいことですから。
 大学に入学して、あることがきっかけで肉を食べるようになりました。それでも、いまだに肉を食べるとき、牛さんや豚さん、羊さん、鶏さんの気持ちを考えてしまいます。
 おかげで、痩せているため、メタボリック・シンドロームになってないし、血液検査ではバッチリ正常値で、お医者さんからは「完璧すぎるほど完璧」と褒めちぎられるほどです。

 チュニジアへ行くと、肉屋さんの店頭に子牛の頭が掲げてあったりします。あれは「新鮮な肉があるよ」という目印です。虫が好きで、動物好きの私には、辛く悲しくなります。

 人間は動物です。植物も、他の動物も、菌類も、とにかく他の生きものを食べなければ、生きてゆけません。
 生きてゆくというのは、さまざまな犠牲をともなっています。だからこそ、命を無駄にしてはいけません。他の生き物の命を少しずつ頂いて(食べて)、命をつないでいます。
 子どもが「人を殺して何故いけないのか?」「生きものを無駄に殺して何故いけないのか?」と問いを発したら、Falconは答えてあげられる自信があります。命をつないでゆくことが、生きものがしなければならない最大のきまりであるからです。

01:22:22 | falcon | comments(0) | TrackBacks

そういえば、クワガタが

 もう一週間ぐらい前だったと思います。
 家の玄関のドアを開けたら、クワガタがいました。
 コクワガタでした。あまり元気が無いので、近くの桜の樹の幹に連れて行って、樹液を探せるようにしました。
 横浜市の北のほうで、住宅地のど真ん中ですけど、自然はまだ残っています。

 Falconは、子どものころは虫が大好きで、夏休みというと昆虫図鑑を片手に林や野原を駆け巡っていました。

 業者の人や、輸入業者の人、現地で採集している人の営業妨害するつもりは毛頭ありませんが、海外からカブトムシやクワガタムシをつれてくるのは???
 やはり、そこの土地で生きているものは、そこの土地で生きるのが幸せなのでは。日本のカブトムシやノコギリクワガタも可愛いじゃないですか。これからはカマキリやバッタの仲間を草原で見かけるようになります。

 昔は自然が豊かだったので、昆虫は子どもが昆虫採集したぐらいでは減りませんでしたが、今は取りすぎると絶滅するかもしれません。

01:03:13 | falcon | comments(0) | TrackBacks

アルディを聴きながら、晩夏

 暑い、暑いと思っていたら、あっという間に秋風が吹き始めてきました。蝉の声も、アブラゼミの鳴き声に、ツクツクホウシが混じって鳴くようになり、夏が過ぎ去ったんだと実感させられます。
 気持ちだけが焦り、やり残したことが頭の中に鉛の錘のように垂れ下がり、すっきりとした青空が虚しく目に映る。
 夜になると、コオロギたちの音にはっとさせられ、夜も冷え冷えとしてきました。
 ページをめくるように、ドアを開けるように、季節が過ぎ去ってゆく。

 フランスの女性シンガー・ソングライターのフランソワーズ・アルディが歌った『もう森へなんか行かない』(『アルディの青春時代』という訳もある)には、青春時代が過ぎ去る様子をさまざまに形容しています。かすかな憂いを含んだ、一面、心に果物ナイフが突き刺さるような残酷な歌詞です。是非、一度は聴いてみてください。その奥深い魅力に気づくでしょう。
 イケメン歌手(でも、すっかりオジサンになった)のエティンヌ・ダオーが、アルディに惚れ込んで歌手になったという逸話があるけど、アルディの影響はフランス歌謡界で絶大だと思います。

00:32:04 | falcon | comments(0) | TrackBacks