September 10, 2007

本が好きな子を育てるのは、学校図書館の目的?

 Very often!「本が好きな子を育てる」とか、「読書が好きな子を育てる」とか、学校図書館の目的として説明されることがあります。
 学校図書館の目的は、学校教育の展開に寄与することですから、「趣味で読書をすること」は副次的なもので、つまり、目的の重要度のランクとして考えると、3番目以下です。

 反論A「『読解力を高める』とか言えば、お役所言葉で、教師が使いそうな言葉だなあ!それよりも『本好きの子を増やす』のほうがわかりやすいし、これで良いの!(断言)」

 たしかに、「本好きの子」は、耳障りではない、口当たりの良い、万人が理解しやすい、目的の表現です。それでも、文字による表現(最近のPISA型読解力では、図形、表・グラフ、写真、絵などの表現も含む)から、情報を読み取る能力を育成することが、学校図書館の重要な目的の一つです。
 日本の学校教育で、趣味に等しいことをやって、極端に支持されて、評価されるのは、高校野球を頂点とするスポーツです。でも、部活動でのスポーツは学校教育の一環で、学校教育の根幹ではありません。
 体育の授業では一人ひとりの身体能力を高めるのが目的で、試合で勝利したり、1位になることが目的ではありません。興奮したり、喜びを伴うことで、体育が楽しくなるのですが、楽しくなることが目的ではありません。

 本来の学校教育として学校図書館の資料をどのように活用するかを理解している司書教諭が配置されていれば、「本好きの子を育てる」「楽しい読書」という趣味の次元の話は無いはずですが、思い違いをしている教職員がいるために、誤解がはびこっているような気がしてなりません。

01:43:04 | falcon | comments(0) | TrackBacks