July 09, 2007

新潟って、北海道にあるよね

 1年くらい前、バスの中で大学生がそれほど大きくない声で会話していたのを、耳を澄まして、じっと聞いていました。
 A学生「ねえ、新潟って、北海道にあるよね」(Falconの心の声:まさか!)
 B学生「北海道って、広いからね。きっと、あるよ」(Falconの心の声:広いのは関係ないよ!)
 A学生「雪降るしね」(Falconの心の声:ええ、コイツラ、ホントに大学生かよ)
 B学生、C学生「そうだよね、冬は寒いしね」
 A学生「ああ、新冠(ニイカップ)だった」(Falconの心の声:ガクッ!、オイオイ、それって、日高地方の競走馬の産地じゃん!)

 こういうバスの会話なら、もっと聞きたいと思います。笑えるから、許せます。
 けど、大学生の知識の低さには驚くより、呆れます。
 今、小学校社会(日本地理)の教科書が物凄く薄くなっているのを知っていますか。あの薄い内容なら、沖縄がどこにあって、北海道がどこにあるかも知らない大学生がいても、ちっともおかしくありません。おそらく、島根県と鳥取県がどこにあるのかも、四国の4県がどこにあるのかも、小笠原がどこにあるのかもわからないでしょう。
 教科書が薄くなった分を学校図書館の資料で学べると良いのですが、その学校図書館の資料が少なければ、ますます必要な知識を学べなくなります。その上、古い資料が残っていたら、いつまでも「冥王星は惑星」のままです。それに小学校の学校図書館は読み物が半分以上を占めています。読み物が悪いとは言いません。Falconは、知識の本と読み物の比率を各学校で考えて欲しいと思っています。

 このまま放って置くと、20年後は大変なことになりますよ!

23:49:10 | falcon | comments(0) | TrackBacks

どっちを優先する?

 税金の使い道ですが、あなたは次の項目でどれを優先しますか?
 理由をつけて述べなさい。

 1.死刑囚の食事代
 2.介護老人福祉施設の運営費
 3.学校図書館の図書購入費

 どれも削減するのは難しいですね。
 死刑囚には、死刑の日まで、食事を与えなければなりません。限られた期間ですが、命の尊厳に関わります。
 介護老人福祉施設の運営も、短いかもしれないけど、老後の生活を保障しなければなりません。
 学校図書館の図書購入費は、将来を生きてゆく子どもたちにとって必要なものです。
 正解はありません。どれも優先する理由はあります。

 おそらく、多くの人が学校図書館の図書購入費は後回しにすると思います。
 その理由は、「読書は趣味だから」と思っているからでしょう。確かに、公共図書館では読書は趣味であっても良いと思います。学校図書館で行なう読書や調べ学習は、社会を生きてゆく子供たちにとって必要なものです。しかしながら、学校図書館に関わっている一部の人たちは、趣味としての読書を子どもたちに勧めています。これは間違っています。「読書教育」と称して、読書を楽しむことばかりしている人がいますが、読書を楽しむことは結果であって、学校図書館の目的ではありません。
 体育を考えてみてください。スポーツを趣味でする子を育てているのではありません。趣味だったら、嫌いな子はやらなくてもいいになってしまします。スポーツは子どもの体力増進に必要だから、全員に教えなければなりません。

12:06:21 | falcon | comments(0) | TrackBacks

格差の広がる学校図書館 Part2

 学校図書館の図書や資料は、学校の校費で購入されるはずです。
 しかしながら、日本では戦後間もなく学校図書館法が制定された当時(昭和28年)から、私費、つまりPTA会費など保護者から集めたお金で図書を購入する学校が多かったのです。そのため、今でも学校図書館の図書や資料を購入するのに、校費が不足すると、PTA会費から資料の購入費を捻出します。あるいは、予算化してしまっているところもあります。
 PTA会費から購入すれば、保護者としては子どもたちに本を買ってあげたという満足感につながり、学校図書館に関わることができてうれしい気持ちになるでしょう。
 でも、すでに書きましたように、学校図書館の資料購入費は地方交付金で国庫から地方に交付されています。これを予算化しましょう。

 それから、二期作の件ですが言い忘れました。
 Falconが沖縄にいたことは、何回か書き込みました。
 沖縄の石垣島は県内有数の米どころで、今でも二期作が行なわれています。冷害があった年には、二期作を行なったそうです。

11:45:41 | falcon | comments(0) | TrackBacks

学校図書館も「格差社会」の時代

 ある人から、6月13日のNHK総合・ニュースウォッチ9(21時から)で、学校図書館の蔵書数に格差が生じていることを取り上げたことを聞きました。
 千葉県の小学校1校の1年間の図書購入費(約120万円)と青森県の小学校1校の図書購入費(約6万円)が比較されていたそうです。勿論、児童数・学級数が少ないとそれに比例して図書購入費が少なくなるので、児童一人あたりの図書購入費または年間購入冊数を比較する必要があります。それにしても、20倍の「格差」は、公教育の平等性を考えると不公平ですね。青森の小学校には、古くて傷んだ本も捨てられなくて、セロテープで補強する小学生の姿が番組の中で映されて、胸が痛んだそうです。読書のための本だけでなく、調べる本がないと諦めた表情で訴える子どもたちの姿も心に残ったそうです。
 すでに国は学校図書館の図書を増やすために地方交付金措置をとってきました。今年度から5ヵ年計画で総額1000億円(単年度200億円)を地方交付金として、学校図書館の図書購入費に充てるようにしています。
 地方交付金は地方公共団体(つまり自治体)よって受けていないところもありますが、地方財政が逼迫しているため、多くの自治体がもらっています。ところが、国庫から地方がもらうお金には、使途が明確な補助金と使途を定めない地方交付金があり、地方交付金は何も学校図書館の蔵書には使わなくても良いことになっています。自治体の中には福祉などの目的で使ってしまうこともあります。切実な問題ですからね。
 さらに、構造改革で、国の権限を少なくして、税源を地方に委譲して(今年から所得税が減って、地方税が増えたでしょ!)、補助金・地方交付金を見直そうとしていますから、地方は、さらに学校図書館に充てるお金を頼りにして、他の使途に使うようになります。

 これは告発します。数年前、司書教諭講習で「地方交付金措置」について触れようとしたら、小学校の校長先生を勤めた経験のある人が大変な剣幕で、Falconの発言を阻止しました。「Y市では潤沢に学校図書館の図書購入費が行き渡っているので、学校の先生たちを煽動して、市の教育委員会に地方交付金をもらう圧力団体のような運動を起こされたら困る!」と言い張って譲りませんでした。
 でも、これは国の政策ですし、司書教諭講習でこそ説明する必要があります。それに、Y市は確かに学校図書館の図書購入費は潤沢ですが、文部科学省が示した「図書標準」に達していない小学校・中学校がかなりあります。「図書標準」に達している学校でも、日本地理の本で「高知県では二期作が行なわれています」(減反政策で二期作はとっくの昔にやっていない)といった記述があり、百科事典と世界地理の本で「ソビエト連邦」「西ドイツ・東ドイツ」「チェコスロバキア」「西パキスタン・東パキスタン」「北ベトナム・南ベトナム」(若い人にはわかりませんよね)などの説明があります。つまり、40年以上も前の本が廃棄されずに残っています。「長島茂雄の野球教室」もあります。スポーツのルールは相当変わっています。無論、20年前の図書では、冥王星が惑星なのは然り。

 文部科学省は学校図書館の蔵書購入への地方交付金措置を広くアピールするように呼びかけています。学校図書館の蔵書を見直して、必要な図書購入費を確保できるように、学校と教育委員会へ働きかけましょう。学校図書館で、地域の子どもの心を育てて、知識と情報を確かなものにすれば、自然に地域への愛着が生まれて、そこの地域で生活するようになります。やがては地方の活性化に繋がります。貧しい蔵書の学校図書館で育った子どもは、都会へ行きたくなりますよ。学校での生活を豊かなものにすれば、20年先に地方は再生します。
 今度の参議院選挙では、学校図書館に関心のある議員を選びましょう。

02:20:20 | falcon | comments(0) | TrackBacks