June 16, 2007

インターネット情報の速報性

 Falconは、図書・雑誌・新聞・ディスク系のメディアと比較して、インターネット情報を速報性の高いものと説明します。
 講義を終えて、学生に「T先生から、インターネット情報は速報性が低いと説明されました。試験でインターネット情報は速報性が低いと書いたら、バツにしますか?」と質問されました。
 T先生の説明の根拠を学生に尋ねたら、「個人のサイトは更新頻度が少ないから、古い情報がそのままになっていて、意外と速報性が低い」とおっしゃっていたようです。
 Falconはその先生を存じ上げております。常日頃からインターネット情報を軽薄なものと断じている方なので、そういう説明をするのだろうと思われます。しかしながら、事実を伝える点でのインターネット情報全体の速報性と、個人サイトの更新頻度が少ないことを結びつけるのは、論理的に考えると無理があります。
 9・11テロをテレビよりも速く伝えたのはインターネットの情報です。
 T先生は大変権威のある方なので、説を曲げるとは思えません。
 もしかすると、T先生は一部の個人サイトだけを取り上げて、更新頻度が少ないから、速報性が低いと論じたのかもしれません。それにしても、T先生の説明は、一部の個人サイトの問題をインターネット情報全体の問題に広げて、学生に誤解を与えるものです。
 悲しいことに、学生は試験で点数が取れるかという切実な問題のみに関心があるので、それぞれの解釈の妥当性を考えて理解を深めることはないでしょう。
 仕方ないので、学生には現実的な対応として、それぞれの先生の主張に合わせて、答案を書くように指導するしか方法はありません。
 学問の府である大学の教員の姿勢として、間違いを正せないのは遺憾ですが、若気の至りで無用なケンカはしたくないので、世渡り上手な生き方を選ぶことにします。

15:34:07 | falcon | comments(0) | TrackBacks