June 15, 2007

古本屋の世界へ

 久しぶりですね。Falconです。

 岩波文庫で『千一夜物語』を読んでいます。プールでしっかり泳いでいます。息継ぎが楽になって、週3回くらいプールに行って、10,000メートル以上は泳いでいます。

 以前、久世番子さんの『暴れん坊本屋さん』を紹介しましたが、今回は古本屋さんでアルバイトしていたグレさんの本を紹介します。是非、『暴れん坊本屋さん』との併読をオススメします。本の世界が広がります。図書館だけが、本の世界を構成しているわけではありません。実に奥が深い。本の世界で生きている人は、金銭的には裕福ではありませんね。身につまされる。その分、知識と心が豊かですから、抜け出せません。



 短いストーリー漫画とコラム記事、大阪の古本屋さんたちの紹介で綴られるエピソードの数々は、涙あり、笑いあり、納得、関心、「へぇー」ありで、飽きることはありません。ここでは詳しく明かせませんが、腹筋運動して、プールで鍛えているFalconにとっては、思い切って笑いたいのに、腹筋はぴくぴく痙攣して、体が筋肉痛で辛く、笑うに笑えない状態で、読み終えました。
 古本屋のことなら、出久根達郎さんの著書が興味深いし、古本屋を舞台にした人情ミステリーの宮部みゆきさんの『淋しい狩人』がなかなかの味を出しています。なんと言っても、反町茂雄さんの『古書肆の思い出』は横綱級の作品ですけど。

 ところで、『ブンブン堂のグレちゃん』の82ページのように、ある古本屋で安く買った本を別の古本屋で高く買い取ってもらい、差益を稼ぐ行為を「せどり」といいます。漢字では「背取り」と書くらしい。不確かな記憶ですが、出久根さんの本で読んではじめて知りました。
 「せどり」はちょっと危ない商売のような気がしますが、古本屋さんたちの間ではかなり信頼されています。「せどり」になるには、まず古本の知識が相当に無いとできません。勿論、古本屋の仕組みも知っておく必要はあります。なにより、古本屋さんの情報を得るために、コミュニケーション能力が必要です。つまり古本屋さんと仲良くなれることです。
 古本屋さんのなかには、「せどり」さんにお願いして、稀少な古本を探してきてもらうこともあります。「せどり」さんは日本各地を旅して、探してきてくれます。
 最近、古本屋業界でもネットワーク化が進み、脚で探してきて、情報を提供してくれた「せどり」さんたちも数少なくなってきたようです。

01:26:48 | falcon | comments(0) | TrackBacks