April 08, 2007

パリコレ:パリの図書館アレコレ

 花の都、文化と芸術の都、パリの話題part5

 パリには色々な図書館がある。
 国立図書館は、ミッテラン国立図書館新館をはじめとして、旧国立図書館、サントジュヌヴィエヴ図書館など市内にいくつか分館がある。ミッテラン国立図書館新館へは、メトロ6号線のケドラガール(Quai de la Gare)駅が便利。その名もずばり、メトロ14号線とRER・C線のビブリオテック・フランソワ・ミッテラン駅は入館口からやや遠い。旧国立図書館は、図書館利用に関して一般利用者を受け入れておらず、現在はメダル博物館と資料の展示会場として使われている。かつての閲覧室はガラス越しにのぞけるけど。旧国立図書館へは、メトロ3線のブルス(Brouse)駅が便利。メトロ1号線のパレロワイヤル・ミュゼルーブル駅からは歩きでがある。パレロワイヤルの中庭を散歩するには、ちょうど良いけど、結構疲れる。
 ポンピドーセンタのBPIは、前にも書いたけど、旅行者が最も使いやすい図書館で、資料も豊富で、開架式であることが、魅力。その代わり、広すぎて、幅広いテーマで資料を探索しようとすると、ヘトヘトになる。分類は国際十進分類法。シャトレ・レアール駅から歩いても、そんなに遠くはないが、メトロ11号線のランビュトウ駅が最寄駅。
 パリ市立図書館は現在62館で市内の各地にある。パリ市立図書館が増えたのは割と最近のことで、以前は図書館の数が少なく、どこにあるかも判りにくかった。由緒のある図書館も少なくない。専門資料だけを収集する図書館があり、前に紹介したマレ地区にあるパリ市歴史図書館、フォルネイ図書館などが相当する。また、サンミシェル大通りから路地に入り、サンセヴラン教会の前にある「たのしいひととき図書館」は第一次世界大戦後、アメリカの慈善団体が設立を促した児童サービス専門の図書館で、フランスの児童図書館の原点となった図書館。児童サービスに興味のある人は是非足を運びたい。往年のシャンソン歌手シャルル・アズナブール(アルメニア移民の子だった)が、幼い頃利用していた写真を見せてもらえる。
 パリ市立図書館の蔵書で目立つのは、BD(バンド・デシネ)とMANGA(日本の漫画・コミック)。フランスの漫画BDは絵本と同様の装丁のハードカバー(絵本と同様にalbumアルボムという)で、劇画的なものが多い。日本の漫画と違うのは、文字が手書きで、作者自身が書く場合もあるし、文字だけを専門家に依頼している場合もある。MANGAはもはや立派なフランス語。日本の漫画のこと。勿論、フランス語に訳されている。『キャプテン翼』はいまだに人気がある。『はだしのゲン』、『ブラックジャック』、『ブラックジャックによろしく』など、最近の作品も大抵揃っている。岩明均著『寄生獣』で、≪ミギー≫は≪Droite≫かと思ったら、≪Miguii≫でした。≪寄生獣≫はピカソの絵とかぶってくる。
 市立図書館のほかに、「みんなの図書館(Bibliotheque pour tous)」という協会組織が設置している図書館がある。マドレーヌ寺院の下、サンジェルマン・デ・プレ教会の近くなどにある。通りで「図書館を探しているのですが」と道行くおじさんに尋ねたら、「あんた、あんなとこ、行くのか。小せいぞ!」と言われた。本当に規模は小さく、場所によっては間口一軒程度の小さなお店くらいのところもある。資料のほとんどが小説・物語の読み物中心で、貸出は登録制。大抵2,3人の優しそうな老婦人が管理している。
 あとは前に紹介したパリ自然史博物館の図書館のように専門図書館がある。

02:53:30 | falcon | comments(1) | TrackBacks