April 06, 2007

腹減る,Fallafel,笑える

パリの話題Part3

 パリにゲイが多いのはなぜか。別に、世界の大都市ならば、その筋の人たちが集まるところがある。でも、一説によると、つい最近になって撤廃されたフランスの徴兵制に原因があるらしい。
 フランスは知る人ぞ知る軍事大国の一つ。ほんの数年前まで徴兵制があった。軍隊のない今の日本では、「チョウヘイセイ」と聞いても、想像がつかない。でも、世界に徴兵制のある国はかなりある。お隣の韓国、台湾には徴兵制がある。韓流スターも、サッカー選手たちも逃れられず、苦労している(免れるケースもあるんだけど)。
 徴兵制があった頃、フランスの若者はなんとか免れようと必死だった。免れる一つの方法は、国外でボランティア活動する。あるいは国外の大学に進学する。この手段が使えたのは、中流以上のお坊ちゃんたち。いわば下流の男の子は、身体に自信があれば入隊したけれど、家にお金がなく、肉体に自信がなく、「戦争なんか、嫌いだ!」という平和主義者には、オカマの道が残されていた。同性愛者は入隊できなかったので、オカマに偽装した人もいたらしい。
 忌まわしい徴兵制がなくなっているけど、ゲイ文化の命脈は続いている。

 話が横道にそれた。パリの通りに戻ろう。
 ゲイ・タウンの一角を過ぎると、ダビデの星が記されたユダヤ教の礼拝所シナゴーグがいくつか残っているユダヤの移民街になる。道ゆく人の中に、黒い帽子、黒尽くめの服装、長く伸ばしたもみ上げの男の人やキッパという丸い小さなお皿のような帽子を頭に載せた若者が見られる。ここから先が、パリでも古い貴族の邸宅が残るマレ地区。国立公文書館、パリ市歴史図書館(パリ市立図書館で歴史資料が中心)、フォルネイ図書館(パリ市立図書館でアート・工芸関係資料が中心)、ピカソ美術館、カルナヴァレ博物館、ヴォージュ広場へと続く。
 ユダヤ人街の通りに、昼間になると長蛇の列ができるお店がある。今、パリで大人気のFallafelの店だ。NHKテレビ「フランス語会話」や「世界ふれあい街歩き」でも取り上げられ、日本でも注目を集めている(京都や東京の溜池にお店があるらしい。今度行ってみよう)Fallafelとは、イスラエル料理(東地中海諸国の料理らしい)。ヒヨコ豆をゆでて、つぶして、団子にしたものを油で揚げたコロッケで、老舗のL'As du Fallafelでは、これをいくつかピタ・パンに挟んで、焼きナスとサラダをたっぷり載せて食べるスペシアルがオススメ。直ぐ近くにも、King Fallafelというお店があって、こちらも長蛇の列。どちらの店も、昼は30分以上は列で待つことになる。それでも、ありつけた時の思いは格別。とにかく美味い!ほんとに、ハラヘル、ファラヘル、ファラフェルなんだ。
 モンマルトルの丘のふもとのクリシー大通りのピガールからアンベール、バルベスロッシュショアルへの道沿いのギリシア料理、アラブ料理の店でも、Fallafelの看板を掲げている。
 絶品の味をご賞味あれ!Bon appetit!
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05:35:22 | falcon | comments(0) | TrackBacks

パリの新宿、裏通り〜

 パリの話題Part2。

 パリの中心は、何といっても、ノートルダム寺院。そして、ルーブル美術館、オルセー美術館がパリのど真ん中と言える。
 メトロとRER(パリと郊外を結ぶ鉄道網)の路線がいくつも交差するシャトレ・レアール駅は、もともと中央市場があったところだが、今は映画館、プール、パリ市の図書館の一つメディアテック、本屋FNACがあり、地下のショッピング街は商業の中心の一つ、パリの≪新宿≫。
 パリに来ると、レアールの温水プールで泳ぐ。ここはパリの≪東京体育館のプール≫。月曜から金曜は夜10時まで、土曜・日曜は夜7時までやっている。50mあって、水質も悪くない。以前は荷物を更衣室の窓口に立つお姉さんたちに預けていたが、今は暗証番号で開閉するロッカーが登場。
 プールで一泳ぎしたあとは、FNACがやっていれば、本やBD(バンド・デシネ。フランスのマンガ)を漁ったり、映画館へ行ったり、ポンピドーセンターのBPI(公共情報図書館)へ行く。
 レアールから、ポンピドーセンターのあるボブール地区までは、そんなに遠くない。イノサンの泉の広場、セバストポール大通りを渡ってゆくと、ポンピドーセンターが見えてくる。途中、左手に≪Sex Shop≫という看板が立ち並ぶ通りがある。ここがパリの≪歌舞伎町≫、サンドニ通りで、ここを起点にサンドニの凱旋門まで、娼婦街がつづく。昔は服地の問屋街でもあり、今でもその名残がある。Falconが始めてパリに来た頃は、夕方になると、夜のお姉さんたちが間口にたって、妖しい視線を路ゆく男たちに投げかけていた。今、思うと風情があった。最近はPeep Show(のぞき見の店)や個室ビデオ・DVD店がまばらに立ち並び、普通のお店が多くなった。むしろ、クリシー大通りやピガールのほうが風俗の中心地になっている。
 セバストポール大通りをセーヌ川に向かって歩くと、ジャズ喫茶が立ち並ぶロンバル通りがある。ビール一杯で、夜明けまで、ジャズに酔いしれる。
 ポンピドーセンターのBPIは火曜をのぞき、夜10時までやっているので大変ありがたい。パリ市の公共図書館ではないが、無料で、旅行者でも自由に入れて(セキュリティの問題から、入口で荷物検査アリ)、膨大な数の図書資料とさまざまなメディアが使えるパリの情報センターである。敷居の高い国立図書館よりも身近に使える。閲覧席も多く、レファレンスサービスも受けられる。インターネットはチケット制。
 ポンピドーセンターのあたりは、黒の革ジャンを着た二人連れのお兄さんが仲良く手をつないで歩いているという噂があったが、たしかに、よく観察していると、ちょっとおしゃれな雰囲気のお兄さんたちが談笑しながら、散歩している。ここからマレ地区へ行く途中がパリの≪新宿二丁目≫、ゲイ・タウンなんだ。普通の本屋さんに、若い男の子の裸の写真集があーるー!腐女子の皆さんの趣味には合わないかもね。

 パリは通り一本づつに、風情がある。(つづく)

04:00:14 | falcon | comments(0) | TrackBacks