February 26, 2007

仲間意識がイジメを生む

 昨日、京都大学名誉教授で数学者の森毅さんの講演を聴きました。
 講演の最後のほうで、「仲間意識がイジメを生む」とおっしゃっていたことに、ものすごく納得しました。
 「集団へ協調性」よりも、「誰とでも仲良くなれる社交性」が大切だともおっしゃっていました。
 学校では「みんなと仲良くしなさい」と規律と協調性を身につけさせられます。そのほうが先生たちにとって子どもたちを管理しやすいからです。(戦争中の「隣組み」がそうです)仲間意識が形成されると、異質なものを排除したり、集団の中でいがみ合ったり、一人ひとりが序列化されて、優位に立つ者が下の者を圧制しますとも説明されていました。戦前の軍隊の例も挙げていました。
 一人ひとりの個性と立場を重んじ、誰とでもつきあえる社交性を身につけることが大切ともおっしゃっていました。
 文部科学省が小学生と中学生へ配布している副教材のような「心のノート」には、「友情」「思いやり」「連帯感」などが綴られています。自然を崇高と思う心、郷土を愛する心、日本文化を愛する心、そして、愛国心を養い、国際社会で協調するとありますが、これらがイジメを生み、やがては国内での紛争を生み、国と国との戦争を生むのでしょう。「友情」や「思いやり」「日本文化を愛する心」、それぞれは悪いことではありません。でも、大人たちの思惑で捻じ曲げて子どもたちに伝えてはいけないと思います。

03:27:05 | falcon | comments(1) | TrackBacks