December 09, 2007

鳥獣人物戯画とエディット・ピアフ

 土曜日の午後、都心で会合があったので、午前中、サントリー美術館の「鳥獣人物戯画がやってきた!」を見てきました。12月16日までです。
 甲乙丙丁の4巻ありますが、描写の繊細なこと、驚きます。無論、甲巻は傑作ですが、丁巻の人物画も見逃せません。甲巻の兎と蛙のユーモラスな表情を見ていると、時間を経つのをしばし忘れます。
 4階が「鳥獣人物戯画」とその模本の展示ですが、3階は「鳥獣人物戯画」に影響を与えた、あるいは影響を受けた作品の展示があります。こちらも見ごたえがあります。勝絵絵巻の放屁合戦は、お下品ですが、心の底から笑いこけます。
 御伽草子の絵巻「雀の小藤太絵巻」「鼠草子絵巻」など、見所満載です。
 図録は充実しています。エコバッグ付き2,300円ですが、お買い得です。
 師走のあわただしい日々ですが、ちょっと気を休めてみませんか。

 今日、日曜日、新宿で映画「エディット・ピアフ」を見てきました。雀は雀でも、こちらはフランスの歌う雀の話です。
 まだ、40歳代でこの世を去ったピアフの生涯がシャンソンの名曲とともに綴られます。フランスの20代の女優さんが、晩年のピアフを演ずる姿は圧巻そのものです。交通事故とリュウマチの痛みを逃れるためにモルヒネを使用して、さらに酒びたりの毎日で、ピアフの身体は40歳代の若さにもかかわらず、老いさらばえていきます。その姿を映画は余すことなく丁寧に描いています。
 ピアフの歌った曲で、『パダン、パダン』が好きです。
 Falconは、現代シャンソン、それも1980年代から90年代のフレンチポップスが好きでした。ジャン・ジャック・ゴールドマン、イヴ・ディテイユ、パトリシア・カースが好きです。尤も、シャンソンの女王ピアフの名前は知っていましたが、どちらかと言えば、正統派シャンソンではイベット・ジロー、コーラ・ヴォケール、ジュリエット・グレコや、イエイエ世代のフランソワーズ・アルディ、シルヴィー・バルタンのほうに馴染みがありました。
 ピアフを聞きたいと思ったのが、アルチュール・H(アッシュ)が唄う『パダン、パダン』を聞いてからです。アルチュール・Hは、知る人ぞ知るパンク・ロック歌手のジャック・イジュランの息子です。そのアルチュール・Hは、『パダン、パダン』をジャズ風にアレンジして、どちらかと言うとダミ声(ピアフとは似ても似つかぬ)で歌い上げています。
 その歌詞に興味を持ち、ピアフを聞くようになりました。『バラ色の人生』『愛の賛歌』などの名曲も多々あれど、胸に響くのは『パダン、パダン』です。歌詞の「パダン、パダン」は、「心臓の鼓動」「足音」「戸の閉まる音」などさまざまに解釈されています。曲風は違いますが、ベートーヴェンの交響曲『運命』に近いものがあります。

23:32:18 | falcon | comments(0) | TrackBacks