November 10, 2007

英国国教会を見習ってほしい日本図書館協会

 あのさ、『図書館戦争』シリーズの最終巻『図書館革命』が出たそうだけど、エンターテイメントとして楽しめても、図書館が暴力・抗争の舞台にされるのは、好ましくない。あれは戦争ではありません。抗争です。
 司書が恋愛ごっこするのは、反対しません。司書だって人間ですから、恋愛が芽生えることもあります。
 でもね、図書館で抗争(戦争)ごっこするのは、迷惑なんです。(第1巻、奥多摩で熊退治するでしょう。フィクションとは言え、熊がかわいそうだなあ。生き物を保護する気が無いのかな?)

 今年、ソニーのプレイステーション3のゲームで、イギリスのマンチェスター大聖堂が宇宙人との銃撃戦の背景として使われたことに対して、英国国教会が抗議して、ソニーが謝罪したことがありました。(このときも、ゲームなんだから、そんなに目くじら立てなくても良いんじゃないという意見があった。)宇宙人からの襲撃にマンチェスター大聖堂を守るという筋書きであっても、英国国教会は神聖な聖堂内で流血の銃撃戦が行われたことに抗議しました。

 『図書館戦争』シリーズでは、実在の図書館、日本図書館協会が名指しで登場するでしょう。しかも、『図書館の自由』を守ると叫びながら、主人公である図書館職員が利用者(自分の親)に見られたくないからという理由で、資料を借りて、図書館資料をゴミ箱のそばに置くんだよ。これは図書館職員による資料の隠匿でしょう。日本図書館協会は『凶水系』『耳をすませば』でしっかり抗議したのに、どうして今回はヘロヘロになっているのでしょうか。アニメになったら抗議するのでしょうか。そのときには、もう遅いよ。

 それから、図書館関係者で、人気小説で図書館、図書館の自由のことを取り上げたことを歓迎して、感極まって、書評・ブログなどで吹聴している人がいるけど、恥ずかしくないのでしょうか。

 「あれはフィクションなんだから、大人の対応」という人がいます。だったら、実在の図書館や日本図書館協会を名指しで使ったことを問題視してほしい。せめて、「月野図書館」「日本図書館問題協会」とか名前を変えて、フィクションであることを貫いてほしい。

 日本図書館協会は、英国国教会を見習ってほしい。

10:34:19 | falcon | comments(2) | TrackBacks