October 27, 2007

おもちゃ図書館での至福のとき

 先日、東京の青山にある「おもちゃの図書館マックロー」に行きました。青山学院大学と、青山通りを挟んで向かい側、「こどもの城」の本館12階にあります。水曜日の11時から16時まで開館しています。
 おもちゃ図書館は、イギリスや北欧で始まったToy libraryの運動から、日本で誕生しました。日本では、全国に最盛期500館余りのおもちゃ図書館があったそうですが、今はその半分以下の200館しかないのそうです。
 おもちゃ図書館には、おもちゃが一杯!図書館と言っても、図書はあまりありません。絵本や布の絵本、さわる絵本も置いてあるところもありますが、おもちゃを中心に貸し出しています。
 Falconが訪れたときは、子どもはいませんでした。いつもは何人か来ているようです。ちょうど、おもちゃ図書館の運動を推進してきた小林るつ子さんに出会うことができました。二人でいろいろな話をして、時が経つのも忘れてしまいました。ああ、なんという至福の時間が流れたことか。
 おもちゃ図書館は、「障害者」の子どもたちを対象におもちゃを貸し出しています。もちろん、おもちゃを箱から出して遊ぶこともできます。機関車のおもちゃを部屋一杯に広げたレールの上を走らせて遊ぶこともできます。楽器のおもちゃもあり、ハイテクの教育用のおもちゃもあります。どんなものか、想像がつかない?!実際に行ってみて下さい。「障害者」だけでなく、「健常者」のこどもも利用できます。

 Falconは、あえて「障害者」という言葉を使いました。「健常者」もあえて使いました。小林るつ子さんも気兼ねなく使っていたので、使ってみました。
 Falconは、普段は「不自由を感じる人たち」と言っています。だって、障害は社会の側にあります。その人には、ちっとも障害はありません。社会にあるはずの障害を、なぜ人に負わせるのでしょうか。それも差別や心無い言動、邪魔物扱いする冷たい視線とともに、重たい荷物を人に背負わせることが許されてはなりません。ほんのちょっと不自由を感じるだけです。誰かが少しでも気にしてくれたら、「ここですよ」と声をかけてくれたら、何にも不自由は感じません。社会に存在する障害が一つでもなくなれば、不自由を感じることは減ります。
 Falconは、ほんの少しだけ足が奇形です。小さいときから、障害者という言葉に悩まされてきました。でも、あるとき、不自由を感じるだけと思ったら、すごく気が楽になったのです。重荷を降ろし、手枷、足枷を外されたような開放感に包まれました。くよくよしていた自分に、さようならを言えました。
 スポーツは大嫌いで、体育の時間、運動会は、自殺したくなるほど、嫌だった。高校時代は体育の時間、よくサボって、校舎の屋上で空を眺めていた。それが、「不自由を感じているだけ」と思った瞬間、無性に身体を動かしたくなって、今では時々プールで泳いでいます。調子の良い時なんか、2時間で3キロメートルを悠々と泳ぎます。

 おもちゃ図書館は、あなたの身近なところにあります。ちょっと覗くだけでも、良いですよ。子どもが遊んでいたら、そばにいるだけでも、良いです。何もしなくても、見ているだけでも良いです。

 おもちゃ図書館の目的は、不自由を感じている子どもたちと、感じていない子どもたちの交流の場となることです。
 今、日本ではちょっとでも学校生活についていけない子どもたちを排除しています。特別学級とは言っていないけれど、学校の片隅にある白々しい名前の教室にいる子どもたちがいます。
 本当に、人を思いやる子どもを育てたいのなら、大学生になって介護体験させるのではなく、小学校のときから、不自由を感じている子どもたちと一緒に学ばせる必要があります。なにもボランティア活動なんてする必要はありません。子どもたちは、ボランティアを特別なことをしていると思い込むだけです。
 おもちゃ図書館へ行きましょう。そこでの出会いが、本当の意味でのゆとりをもたらします。

02:56:15 | falcon | comments(0) | TrackBacks

こんな日本に誰がした?!第2弾

 読書週間だ!
 「子どもの読書活動推進に関する法律」「文字・活字文化振興法」により、子どもも大人も読書をしよう!と国からせっつかれている。
 そもそも読書を法律で推進しなければならない必要があるのだろうか。
 子どもの活字離れが深刻といわれているけど、実はその言説をよく吟味して考える必要がある。この言説の根拠となっているは、毎日新聞の読書調査である。小学生は実によく本を読んでいる。だから、問題ない。「活字離れ」と言われているのは、中学生と高校生である。
 中学生と高校生は、極めて余裕の無い生活を送っている。なにしろ、部活動に追われている中高生は、夜明け前から早朝練習、放課後も練習、休日は大会出場。そのうえ、塾へ直行して、勉強。そして、大人たちから「明るく元気な青春生活」を送るように期待される。これで、読書をしている暇は無い。マンガも、雑誌も読めない。新聞も読めない。テレビを見るのがやっとこさ、気が紛れないから、メールやブログで級友たちを虐めるくらいしか密かな楽しみを見出せないのだ。土曜日が休みになっても、彼らには「ゆとり」がない!Falconだったら、「もう放って置いてくれ」と叫びたくなる。本当に「ゆとり教育」を実現するなら、部活動を即刻、強制することをやめて、早朝練習もやめて、放課後は自由にさせるべきだ。(ここは、教育再生会議で真面目に論議してほしい。中学校を4年制、5年制にするなんて、非現実的なことを論議することよりも、重要なことだ。中学校を4年制、5年生にしたら、教室の確保をどうするのか、先生の数を増やすにはどうするのか、厳しい国家財政の中で実現できるわけが無い。教室を確保するには、校舎を増設して改装しなければならない。そうすれば土建屋さんが喜ぶだろう。でも、それだけの予算をどこから捻り出すの?財務省が試算すれば、絶対NO!に決まっている。教育再生会議って、暇なお茶飲み会議だったのか!)
 「総合的な学習」を短縮する必要は無い。だって、今回の全国統一テストで、応用力が身についている子どもは、アンケートで総合的な学習が好きと答えている。PISA型読解力を身につけるなら、「総合的な学習の時間」は必要である。 [more...]

01:24:40 | falcon | comments(0) | TrackBacks