May 22, 2006

図書館職員は、プールの監視員みたいなもの

「図書館司書になったら、本に囲まれて、本がたくさん読めますよね。わたし、本が好きだから、司書になりたいです」
 図書館司書課程を受講する学生から、よく聞かれる言葉です。
 君たち、考え方が甘い!
 いや、私自身に向けていうべきです。自分の考え方が甘かった。
 私も、何を隠そう、本が好きだから、図書館職員にあこがれて、目指しました。しかし、想定外!実際に大学の図書館で働いていたとき、本を読む時間はありませんでした。図書館職員には、本をゆっくり味わって読む時間は、まったくありません。仕事に必要なので、本を読むこともありますが、勤務時間中に読む時間はほとんどありません。読むというより、目を通すというのが的確な表現でしょう。
 そこで、Falconは「図書館職員はプールの監視員」と説明しています。まるで、「笑点」の大喜利の謎掛けみたいですが、その心は、「ともに好きなことをしていたら、仕事になりません」。泳ぐのが好きだから、プールの監視員をしても、監視をするのが仕事で、自分が泳いでいたら、仕事になりません。かといって、泳げないと、利用者が溺れたら、助けるために泳げなければならないから、困る。休憩の時間に、プールの点検をするために泳ぐし、ときには、利用者への泳法指導もする。なので、監視の仕事以外の時間、練習は怠れない。実に図書館職員と重なるところがあります。

 Falconは、泳ぐのが好きで、最近は体力が落ちてきたので、プールへよく行きます。今年になって、千駄ヶ谷の東京体育館をはじめ、公営プールが指定管理者制度を取り入れて、民間のスポーツジムを経営している会社へ業務委託を始めています。そんなところも、図書館職員とプールの監視員は似通ってきました。公共図書館にも、じわじわと指定管理者制度(「指定監視者制度」は誤りでした。誤りにしても、洒落がきつかったかもしれない)が広がり始めているのです。

14:33:57 | falcon | comments(0) | TrackBacks