February 26, 2006

図書館戦争

 有川浩著『図書館戦争』(メディアワークス)を,
関係者の皆さんはもう読みましたか?
 Falconも,図書館関係者のはしくれとして,違和感を伴なって
一応読み終えました。
 いくつか問題点が残ります。
 現実の図書館と変えているという設定についての言い訳や,
軍隊ごっこや恋愛ごっこに現を抜かす図書館員(?)たちの行動と言動,不服な表情と叫ぶことしかしない主人公の単純直情的な性格は論ずる意味がありませんが,
 図書館の自由に関する宣言(1979年改訂)の主文の4は,
この小説に書かれた「図書館はすべての不当な検閲に反対する」ではなく,「図書館はすべての検閲に反対する」です。これが著者の意図的なものなのかはわかりませんが,不勉強によるものならば,失笑,噴飯ものです。
 また,検閲という言葉を安易に意味を履き違えて使っていることに違和感を感じています。
 近未来小説なので,現実と違うという言い訳に,仕方なく納得しなければなりませんが,もう少し図書館の本質を突くような内容を期待していました。
 真面目に努力している図書館職員をおちょくるような小説は,今回だけにしてほしいですね。

04:04:20 | falcon | comments(7) | TrackBacks