November 04, 2006

暴れん坊本屋さん

 キョウカン、キョウカン!
 本当に共感した。久世番子著『暴れん坊本屋さん』(新書館)。
 新聞の書評を読んで買いました。電車の中で読んでいたら、笑うあまり、つり革から手を離して、揺れた瞬間、床に転倒しました。
 本屋の店頭で働く主人公の番子さん(著者の分身?)は、漫画家でもあります。漫画での姿は、まるで「オバQ」みたい。本屋の内幕から、出版業界、取次業(書籍流通業者、言い換えれば「本の問屋さん」)の事情を、数々のエピソードで綴る、心底笑えて、勉強になります。大学の司書課程で使っている図書館学の教科書より理解しやすくて、ためになる。特に接客の姿勢、間違った本のタイトルを客から聞いても、たちどころに正しいタイトルを思いつくところは図書館職員も見習いたい。書籍の検索システムを、今どきのヤンキーな兄ちゃんのイメージに仕立てて表現したところは最高!正直、涙が出るくらい、間隙を突かれて、感激しました。図書館の検索システムを番子さんなら、どう描くだろうか?モサイ中年オヤジだろうか。訳わかんないことする女子高生だろうか。図書館の職員と本屋の店員は共通項が多いので、本当に共感する。たった3巻で終わったのが残念。

 BL(ボーイズラブ)ネタ、腐女子(BLを好む女の子たち)ネタ、アブノーマル・セックスネタを散見するのは、まあまあご愛嬌として、見逃してあげてほしい。(BLはロンドンにある英国図書館The British Libraryではありません。)

 頼む!番子さん、お願いだから、『暴れん坊司書さん』を描いてくれ。

 

03:30:09 | falcon | comments(0) | TrackBacks