November 01, 2006

ナゲキバト

 今、いじめが原因と見られる子どもの自殺についてのニュースを見聞きします。
 Falconも、小学校、中学校、高等学校と、ずーっといじめられていました。体育が大の苦手で、運動会、ドッヂボール、ソフトボール、バレーボール、バスケットボール、、、楽しい思い出が一つもありません。いまは思い出したくもない「言葉」を投げつけられて、本当のことだから、言い返せない口惜しい思いをしました。先生たちも、クラスの一人の児童、生徒としか思ってくれませんでした(何人かは心配してくれたかもしれません)。何度も、何度も自殺を考えました。高校生の時は、毎日、見えないカーテンをくぐれば、死ねるかもしれないと、思っていました。

 なぜ自殺しなかったかと言えば、死ぬ勇気がなかったからです。

 大人になった今でも、色々な理由で、死のうと思うときがあります。死なずに生きているのは、誰かがFalconのことを考えていてくれると信じているからです。

 

 今、『ナゲキバト』を読んでいます。
 事故で両親を失ってしまった少年は、祖父と暮しています。やさしく、しっかりしたポップ(お祖父さんの愛称)は、生きてゆく知恵を少年に語りかけます。どんなに孤独で淋しい時でも、誰かが自分のことを思ってくれると、語りかけてくれます。少年が興味本位で引き起こした出来事で、小さな生きものの命は失われます。そのつらさを彼が心に刻むとき、言葉少なに、ポップは見守ります。
 今、いじめがつらくて、死にたいと思っている人に、本を読みなさいと言っても、その気も起きないでしょう。でも、図書館で『ナゲキバト』を見つけたら、せめて第3章まで読んでみてください。ゆっくり読んでも20分です。そのくらいの余裕はあるでしょう。生きようなんて前向きな気持ちは起きないでしょう。それでも、ポップのようなお祖父さんがそばにいて、見守っていてくれる気持ちになるかもしれません。

 急がなくても、どんな生きものにも「死」は訪れます。
 意外と人生は短いものです。やりたいことが一杯あるのに、「死」が目前に迫っている人もいます。100年、200年、生きられたらと必死に思っている人もいます。でも、人生という乗り物はあっという間に、生まれる前の世界へ連れて行きます。
 Falconは、今、25歳ぐらいの時の自分の体のまま、現在の社会的立場を維持して、100年生きられたら、いいなーと思っています。自分が手をかけなくても、時が無残にあらゆるものを奪ってゆきます。

 誰かがあなたの力を必要としています。もしかしたら、あなたの周りにいる生き物があなたの力を欲しがっているかもしれません。本を読んで、ゆっくりしませんか。

23:55:27 | falcon | comments(0) | TrackBacks