January 21, 2006

クローンをもう一冊

ナンシー・ファーマー著;小竹由加里訳
「砂漠の王国とクローンの少年」DHC,2005

まだ読み始めたばかりですが,こちらは近未来のクローンの少年の
成長の物語。
こちらのクローンの待遇は,きわめて悪い。
主人公のマットは麻薬王の老人のクローンとして生を受けた。
ほかのクローンたちは生まれるとすぐに脳を破壊されて,
家畜同然の扱い,いや,それ以下の扱い。牛や豚のほうが好待遇。
なぜだか,マットだけが脳の破壊を免れた。
それは何故か。
もっと過酷な運命が待ち受けているのではないか。

ページをめくるのが,本当に辛いのですが,
読み進めてしまう危険な内容です。

あー,もう,どうなるのー???

01:54:05 | falcon | comments(0) | TrackBacks

レファ本

日垣隆著「使えるレファ本150選」(ちくま新書;575)
こんな本が出るだろうと思っていました。
図書館職員の「十八番(おはこ)」だったレファレンスサービスが,
一般人に普及し始めています。喜ばしいことです。
全分野に網羅的というわけではありませんが,日垣流に,レファ本を
メッタギリして,本当に使えるレファ本を紹介しています。
日垣氏には無理なお願いかもしれませんが,誰か,
学校図書館用にレファ本として使える本を紹介してもらいたいですね。
腹を割って,本音で評価してくれる人がいませんかねえ。
「Falconがやれば?」
忙しくてできません。悪しからず。

p.90-91に自殺死亡統計が紹介されています。
かつて女性アイドルの自殺がきっかけとなって,
子どもの自殺が相次いだことがあります。
そのころ,識者という人たちが「最近の子どもは精神的に弱い」と
もっともらしい,偉そうなことを言っていました。
実際には,そのころ大人の自殺が圧倒的に多く,深刻な問題でした。
今,大人の自殺はもっと深刻です。
日本では,実は子どもの自殺は比較的少ないのです。
「子どもは精神的に弱い」と言っている大人のほうが,
ずーっと精神的に弱いのです。
自殺死亡統計はショッキングな統計ですが,
統計を調べると,常識とされていることが,
間違っていることが分かります。

日垣氏らしい鋭い切り口が冴えています。
司書を目指す人は,是非,一読を。

01:42:51 | falcon | comments(0) | TrackBacks