August 04, 2018

すごい本川達雄先生

 大好きな本川達雄先生の本です。
 昆虫・節足動物、軟体動物、棘皮動物、脊索動物、脊椎動物の体の構造を徹底的に説明してくれます。
 各章ごとに、本川先生作詞作曲の歌がついている、これがすごい。
 特に思い入れがある棘皮動物、その中でもナマコ、脳もなく、心臓もない、ほとんどエネルギーを使わずに生きている。脳もなく、心臓もない生物は数多くいるのですが、ついつい、自分と同じ目線で物事を考えるから、誤解もするし、現実も知らず、管見でしかモノを見ない。
 ナマコは、こすって刺激を与えると硬くなります。さらに刺激を与えると、白い液体を噴き出してどろどろに融け始める。おそらくYouTubeなどで動画が見られます。すさまじい迫力ですので、心してみてください。
 脊索動物について触れる書物が少ないので、極めて貴重です。そう、Falconが気に入らないと腹を立てている、日本十進分類法で節足動物485の続きにある原索動物485.9です。ナメクジウオやホヤの仲間です。この本で、ホヤのほうが私たち脊椎動物に近いということがわかり、ビックリ。
 ちょっと専門的で、「わたし、理科嫌いだったのぉ〜」と叫びたくなりますけど、そこは抑えて、驚きと発見に身をゆだねましょう。



01:12:16 | falcon | comments(0) | TrackBacks

ある読書論

 森博嗣(もり,ひろし)さんの『読書の価値』(NHK出版新書;547)を読みました。
 ちょっと冷めた感じで、子供たちに読書を勧めたいと必死になっている人、読書離れが進んでいると憂いている人には、実に物足らない!、読むだけ無駄!と放棄すると宣言するでしょう。
 けれども、Falconは正直、納得できました。
 同じエピソードが何度か語られていますが、読書の勧め方が暑苦しくなく、さわやかな印象でした。
 泣けたとか、感動するとか、叫ばれても、読む気が減退します。
 今更、名著です、『夜と霧』を読みましょうと言われても、困る。この本には、そういう売りはありません。
 自分で本を選ぶ喜びが描かれている。
 あまり期待しないで読むと、著者の考えになじみます。


01:04:42 | falcon | comments(0) | TrackBacks