March 11, 2009

ウィキペディア???

 日本ではウィキペディアの情報をレポートでコピペしたら、先生たちから罪人のように扱われる。司書課程、司書教諭課程の講義、演習では「あんな疑わしいものを信用してはいけません」と講師の先生からお説教される。

 最近、フランスでウィキペディアを批判するだけでなく、ある程度、肯定的に捉える著作が刊行されている。フランスでも、子どもたちがウィキペディアを参照してレポートを書くことが頻発し、悪質な書き込みを繰り返すケースも起きて、混乱していたそうだ。ウィキペディアを諸悪の根源と見るだけでなく、新たな情報手段として捉えることもできる。

 今、『哺乳類天国』という古生物学の読み物を読んでいる。新生代に登場した哺乳類の名前がたくさん登場して混乱するので、ネットで検索しながら読んでいる。『哺乳類天国』には古生物学者の写真が少ないので、ウィキペディアで肖像写真を見ながら、読んでいる。恐竜化石から哺乳類の化石まで発掘して、大論争を戦わせたマーシュとコープの二人の肖像を見ながら、読み進めた。文字だけで想像して読むよりも、よりリアルに読み込むことができる。
 まだ種明かしはできないが、ある項目について、現在刊行されている百科事典と辞書と、ウィキペディアで調べて、読み比べてみた。もうかなり前から明確になっていることなのに、百科事典も辞書も情報が古い。興味が湧くトリビア、ゴシップ記事が百科事典と辞書にはない。

 ウィキペディアの弊害を説くのは簡単かもしれない。でも、そろそろ有効な活用方法を考えたほうがいい。そんな気がしている。

00:48:05 | falcon | comments(0) | TrackBacks